20年東京 カシマで五輪開催へ 7月にも正式決定 「震災復興」を重視
日本サッカー協会は18日、東京都内で理事会を開き、2020年東京五輪の会場に鹿嶋市の県立カシマサッカースタジアムの追加を求めることを決めた。当初は愛知・豊田スタジアム、大阪・市立吹田スタジアムを合わせた3会場を要請していたが、大会組織委員会が開催経費抑制を理由に追加は1会場のみとする方針を示し、これに応じた。県などは15年から、追加の会場に選定するよう要望活動を進めてきた。カシマスタジアムで東京五輪が開かれれば、02年サッカー・ワールドカップ(W杯)日韓大会以来の世界的な大会の開催となる。
11年3月の東日本大震災で被害を受けたカシマスタジアムは復興五輪の観点から開催意義が大きいと判断し、他の追加候補会場よりも優先された。
今後は大会組織委が国際サッカー連盟(FIFA)や国際オリンピック委員会(IOC)と調整し、7月のIOC理事会で正式に承認される見通し。新国立競技場(東京都新宿区)札幌ドーム(札幌市)ひとめぼれスタジアム宮城(宮城県利府町)埼玉スタジアム(さいたま市)味の素スタジアム(東京都調布市)日産スタジアム(横浜市)に加えて7会場でのサッカー開催が決まる。
新国立や味スタは他競技の兼ね合いでサッカーの利用は限定されるため、過密日程が不安視されている。 追加会場への選定要望を巡っては、県などが大震災からの復興を開催意義に掲げて活動を繰り広げてきた。15年3月に日本サッカー協会が追加会場を公募した際、名乗りを上げた。翌4月、同協会はカシマスタジアムを含む3会場を候補に決めた。17年3月には、同協会、五輪組織委ともに「カシマが軸」とする方針を示していた。
大震災発生の際、県はカシマスタジアムの被災で、国際サッカー連盟(FIFA)から約7600万円の見舞金を受け取っていた。このため、震災から立ち直った姿を見せることも課題としてきた。橋本昌知事は、同協会の田嶋幸三会長や五輪組織委の森喜朗会長に何度も面会。4月14日も森会長と会い、「復興五輪のシンボルに」と要請した。
同協会の決定について、橋本知事は「県民の皆さまと共に喜びたい。これまで大変お世話になった多くの方々に大変感謝している。国際オリンピック委が早期に正式決定してくれることを期待している」などとするコメントを出した。
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