筑波大生の卒業制作展 買い上げ優秀作16点紹介 茨城・土浦

茨城新聞
2024年10月2日

筑波大芸術学系の卒業制作のうち、特に優れた作品を展示する「筑波大学アート・コレクション展 TURNING POINT(ターニング・ポイント)」が、茨城県土浦市大和町の市民ギャラリーで開かれている。洋画や書、造形など力作16点が展示されている。同展は10月20日まで。

同市では1947年に県内初の市民公募の「土浦市美術展覧会」が始まった。県南の芸術文化の中心的な役割を担ってきたが、少子高齢化とともに近年は作品を発表する作家が減ってきたという。大学で芸術を学ぶ若手作家の作品に触れることで、市の芸術文化振興の新たなきっかけにしたいと、市が企画した。

会場には、第11回MOE創作絵本グランプリを受賞した絵本作家、塩満幸香さんの洋画「Sit down,please」や、造形作家で活躍する西村優子さんがケント紙を折り重ねて陰影を作った「じゃばら折りレリーフ」など、学生時代の集大成が並ぶ。展示の中には横4.5メートルもある絵画や高さ2メートルの彫刻もあり、迫力がある。

同大は97年度から卒業研究・修了研究のうち、特に優れた作品を「芸術賞」とし、2006年度からは同賞に次ぐ「茗渓賞」が授与されている。総点数は約120点に上る。全て同大が買い上げ、コレクションとして収蔵されている。

今回の展示は1999~2018年に表彰された作品。かすみがうら市から訪れた会社員の砂山亮子さん(38)は「書や絵画作品に圧倒された。どれも力作が並んでおり見入ってしまう」と話した。

企画した市民ギャラリーの若田部哲主任は「今後、若い作家たちが披露する場として市民ギャラリーを利用してもらえれば」と話し、「芸術系を目指す高校生などにぜひ来てもらいたい」と来場を呼びかけた。