自作コシヒカリで日本酒 純米吟醸「男盛」販売 常陸太田市商工会青年部 茨城
茨城県常陸太田市の市商工会青年部(益子大哉(だいや)部長、部員37人)は、自分たちで育てた常陸太田産「コシヒカリ」を使ったオリジナルの日本酒を造り、販売を始めた。同青年部や活動内容を知ってもらうとともに、地元の祭りやイベントなどで活用することでまちおこしに結び付けようと挑戦した。酒米ではなく、地元の食用米を使った日本酒で、「優しい味わいに仕上がった」とアピールする。
同青年部の新たな目玉事業の一つとして、同部内のメンバーで完結できる事業として発案した。昨年5月に市内の水田約30アールでメンバーが苗を植え、9月に刈り取った。醸造を担当した蔵元・岡部合名会社の岡部彰博専務は「夏場に暑いと米が硬くなりやすくなるため温度管理が難しかった」と明かす。同蔵元でも食用米で造ったのは初めてだったが、「味もよく出て食中酒に向く日本酒になったのではないか。地元のコシヒカリによる酒造りの手応えを感じた」と話した。
出来上がったのは純米吟醸「男盛(おとこざかり)」で、1本720ミリリットル(1870円)。手頃感があり、味も軽やかで飲みやすい。ネーミングは同部内で募集し投票で決めた。「働き盛り」などをイメージし、「青年部の認知と活動の広がりに願いを込めた」という。ラベルには青年部のイメージカラーの青をベースに、太めの筆文字を採用した。
益子部長は「売り上げの一部を青少年活動などの支援に向けることを検討している。幅広い世代に飲んでもらい、市内外で自分たちの団体や活動を知ってもらうきっかけになってほしい」と期待を寄せる。
市内の飲食店をはじめ、竜神大吊橋の水府物産センター、道の駅ひたちおおた、JR水戸駅の地酒バーなどで取り扱う。