観光、にぎわい拠点に 鹿島灘海浜公園 茨城・鉾田市、活用法検討へ

茨城新聞
2024年1月2日

茨城県鉾田市大竹の県営都市公園「鹿島灘海浜公園」を観光やにぎわいの一大拠点にするため、市は再整備に向けた取り組みに着手した。2023年度中の基本構想策定を目指し、鹿島灘海浜公園拠点化推進会議を23年12月に設置。市が管理する台地部について、ハード、ソフトの両面で地域活性化につながる活用法の検討を進める。

太平洋に面し、豊かな自然が魅力の同公園の敷地は約20万6000平方メートル。海浜部は2000年、国道51号沿いの台地部は05年にそれぞれオープンした。市民の憩いの場として親しまれ、さまざまなイベントで活用されている。

台地部から海浜部に向かう道路は空と海の広がる景観が美しく、TVドラマやCMの撮影場所としても利用されている。

再整備が検討される台地部は、市産の野菜が購入できる直売所やレストラン、大型遊具、芝生広場などが立地。ただ、近年は施設の老朽化が進み、公園の潜在的価値が十分に生かされていないとの指摘がある。

公園を管理する市都市計画課によると、コロナ禍で来園者が減少。回復傾向にはあるが、以前の水準には戻っていないのが現状だ。

推進会議は、市や国、県の関係者のほか、市議、周辺地区の区長、市内の農業や観光など各団体の代表者ら20人で構成。委員長は岸田一夫市長が務める。

第1回会議では、来園者を対象として22年に実施したニーズ調査の結果が報告され、来園者は家族連れと夫婦が多く、県外利用者のリピート率は低い傾向が浮かび上がった。

公園に望まれる施設としては、現在より充実した飲食店や農産物直売所を求める回答が多かった。

調査結果を踏まえ、市は再整備の方向性として①国道に面している立地を生かす「海に面した道の駅」②基幹産業の農業が体験できる「農業とファミリー」③非日常が味わえる空間を演出する「花と海外の街並み」-の三つを示した。資料は市の公式ホームページで公開されている。

推進会議は今後、活性化につながる施策や管理・運営方法の見直しなどを検討し、23年度中に再整備の指針となる基本構想をまとめる。基本計画の策定など、事業の具体化に向けた取り組みは24年度から進める。

岸田市長は「豊かな自然や市で盛んな農業を生かし、多くの方々に来てもらえる公園になるよう検討を進めていく」と話している。