角田柳作顕彰 キーンさんが師の業績語る 10月に県立文学館

上毛新聞
2016年4月25日

ㅤ日本文学研究で知られるドナルド・キーンさんが10月16日、高崎市保渡田町の県立土屋文明記念文学館で講演する。戦後、米コロンビア大大学院で教えを受けた渋川市出身の角田柳作(1877~1964年)の業績や2人の思い出を語る。角田については、渋川市が合併10周年に合わせて昨年から顕彰事業を本格化させており、キーンさん自ら語る「角田像」によって郷土が生んだ偉人はさらに注目されそうだ。
ㅤ講演は10~12月に予定している同館の開館20周年を記念した企画展「角田柳作とドナルド・キーン(仮)」の一環。日本文学を世界に伝えた角田とキーンさんの業績、2人の絆を伝える。
ㅤキーンさんは講演で角田から学んだことを語るほか、キーンさんの著作集の編集を担当している新潮社出版部編集委員の堤伸輔さんとの対談も行う予定。
ㅤ角田は現在の渋川市赤城町津久田で生まれ、国内での教員生活の後に渡米。コロンビア大に日本文化研究所を開設するなど米国での日本学を確立した。
ㅤキーンさんは1922年、ニューヨーク生まれ。戦後、同大大学院で角田から日本文学を学んだ。同大で日本文学を教えながら日本に足しげく通い、川端康成や谷崎潤一郎、三島由紀夫らと交流。古典から現代文学まで広く研究し、海外に紹介した。東日本大震災後、日本国籍を取得した。

地図を開く 近くのニュース