下仁田戦争に散った志士 丑之助墓前に供養の梅 水戸から訪れ植樹

上毛新聞
2016年3月31日

ㅤ1864年の下仁田戦争で高崎藩と戦い、13歳でこの世を去った水戸天狗(てんぐ)党の一員、野村丑(うし)之助の墓前の梅の木を復活させようと、水戸市の会社社長で水戸商工会議所会頭の和田祐之介さん(76)ら同市の7人が26日、下仁田町下仁田の墓を訪れて白梅「玉牡丹(ぼたん)」を植樹した。

ㅤ丑之助は攘夷(じょうい)を訴えて戦った際に腕を負傷し、仲間の足手まといにならないよう自刃したという悲話が残っている。下仁田で埋葬され、地元の長寿会などが墓を守っている。
ㅤ和田さんの父の2代目祐之介さんが水戸市長時代の1974年、地元志士の供養にと墓に紅白の梅を植えた。昨年12月に初めて墓を訪れた和田さんは、白梅が枯れているのを見て植え替えを決めた。
ㅤ和田さんは、白梅の下にたたずむ父の名前が入った石碑を感慨深そうに見つめ「下仁田の皆さんに長く守っていただきありがたい。墓前を彩ることができてよかった」とほほ笑んだ。
ㅤ白梅の状況を和田さんに伝えた水戸史学研鑽会「吉田塾」の木村成文塾長も一緒に墓を訪れ、紅白の梅の木を見詰めた。
ㅤ植樹に立ち合った金井康行町長は「来年はいい枝ぶりになる。水戸とのたゆまぬ絆を継承していく」と植樹に感謝した。

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