古墳グルメ 考案相次ぐ 大田原 食で地域活性化 きょうから新たに2品

下野新聞
2021年5月10日

 【大田原】市内の飲食店で、湯津上の国史跡・下侍塚古墳をイメージした新メニューの考案が相次いでいる。10日から山の手1丁目の食堂「岡繁」がカツ丼「青唐古墳めし」を、城山2丁目の中華料理店「応竜」がチャーハン「大田原梅里炒飯」を提供する。同古墳の5千分1の型枠を使って古墳を表現しており、両店は「『おいしい考古学』として大田原全体を盛り上げたい」としている。

 同古墳は徳川光圀(とくがわみつくに)の命で日本考古学史上初の学術的発掘調査が行われ、発掘後には松が植えられた。その美観から下侍塚古墳は「日本一美しい古墳」とされる。

 県が本年度、同古墳の再発掘事業に着手するため、食で地域活性化を図ろうと、3月に湯津上のレストラン「湯津上村民食堂」が「日本一美しい古墳カレー」を、4月に蛭田の創作和食店「ごちそうや江戸ッ子」がばらちらしずし「古代ロマン寿(ず)し」の提供を始めた。

 今回の2店も、食での活性化に賛同。「青唐古墳めし」は、市特産トウガラシ「栃木三鷹」の炊き込みご飯に甘みのあるソースカツを4個添えた。カツは同古墳周辺にある市史跡侍塚古墳群の円墳などをイメージした。岡繁の岡野繁雄(おかのしげお)さん(69)は「昔、那須地域で金が取れたためカツに金粉をあしらった」と話す。1200円。

 「大田原梅里炒飯」は梅を混ぜたチャーハンで、墳丘にふき石が敷かれた築造当初の古墳を表現した。周りに市特産のアスパラガスを卵白でとじた塩味のあんかけを流した。応竜の田代尚之(たしろたかゆき)さん(44)は「偕楽園がある水戸藩にちなんだ」とし、光圀の俳号「梅里」を参考に名前を付けた。千円。

 それぞれ1日限定10食。(問)岡繁0287・22・2474(日曜夜が休み)、応竜0287・22・2801(火曜定休)。

地図を開く 近くのニュース