「秋の夫婦舟」初運航 新たな観光資源期待 潮来

茨城新聞
2019年11月13日

潮来市街を流れる前川で10日、夫婦がろ舟に同乗する「秋の夫婦舟(めおとぶね)」が運航された。同市潮来に5月、津軽河岸あと広場がオープンしたことなどから新たに企画されたもので、同市の関係者らは地域の新たな観光資源として期待している。

「秋の夫婦舟」に乗り込んだのは、水戸市の中崎貴光さん(35)と朝美さん(33)夫婦。潮来市で毎年行われている「嫁入り舟」に朝美さんが憧れていたことから申し込み、応募があった7組の中から選ばれた。

2人は水郷潮来あやめ園から津軽河岸あと広場まで約20分間ろ舟で移動。到着後には結婚宣言や結婚証明書への署名を行った。プレゼントとして水郷旧家磯山邸の無料宿泊券や潮来市産のコメ30キロなどが贈られた。

朝美さんは、「とても景色がきれいで、たくさんの人に『おめでとう』と言っていただいた。(嫁入り舟と違い)夫に手を取ってもらって舟に乗ったので、安心できたと思う」と振り返った。

同市の嫁入り舟は県外からも多くの観光客が訪れる一大イベントだが、期間が約1カ月のため、オフシーズンの集客が課題となっている。「夫婦舟」を企画した同広場指定管理者「いたこ」の担当者は、「嫁入り舟はどうしても花嫁メインになるため、こちらは夫婦2人にスポットが当たるようにと考えた」と狙いを説明。嫁入り舟も毎年選考を行っていることから、ろ舟への潜在的需要はあると指摘した上で、「今回の経験・課題を踏まえ、ゆくゆくは通年型で運航できるようにしていきたい。新婚の方だけでなく、銀婚式・金婚式などのご夫婦にも利用してもらえるようにできれば」と話した。

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