《食いこ》入やなわぁ工房(笠間市) 栗農家 こだわりの加工品

茨城新聞
2019年10月27日

笠間市の橋本大敬さん(61)は祖父の代から約60年続く栗農家。自然豊かな北山公園の近くで、食の安全や環境への影響に配慮した栗を栽培する。2月に納屋の半分を改装し小さな直売所兼カフェを開いた。「○や入やなわぁ工房」と名付け、生栗の販売、栗の加工品の提供を行う。

妻明子さん(57)が渋皮煮や甘露煮、ケーキ、プリンなど加工品を作る。「おいしさは胸を張れるが、見た目が悪いと味は良くても生栗で出せない。愛情を込めて育てた栗1粒でも無駄にしたくない」と加工への思いを語る。

昨年3月大敬さんが定年退職、明子さんも仕事を退職し、専業農家になったのがオープンのきっかけとなった。名前の由来は3人の子どもと明子さんの名前の頭文字を取って「やなわぁ」。先頭の○や入は橋本家の屋号で、大敬さんを表す。

「環境に優しく食の安全を考えて栽培している」と大敬さん。農薬や化成肥料は極力使わず、土作りにこだわる。2006年から県のエコファーマーの認定を受ける。9~10月中旬は完熟して落ちた栗を拾って収穫。虫の防除はガス燻蒸(くんじょう)に頼らず、専用の機械で50度の湯に30分漬けて処理する。「温湯殺虫は手間も時間もかかる」が、食の安全や環境への影響を考えたという。選別も複数の人の手をかけ丁寧に行う。

収穫が終わる10月下旬から冬は栗の木を大きくするための剪定(せんてい)、春夏は草刈りと「一年中栗の世話に追われる」。

直売所兼カフェは10月から春ごろまで土日祝日に営業する。ほくほくする栗はおこわ、滑らかな栗は渋皮煮と、品種の特性を生かし使い分けるのも栗農家ならではの醍醐味(だいごみ)だ。生地に栗を練り込んだ「栗入りの揚げ餅」は香ばしさが後を引く。アイデアを商品化するのに3年かけた。そのほか、栗のケーキは1ホール(直径12センチ)に大粒の甘露煮が約10個入る。
カフェの栗おこわセットはけんちん汁や小鉢、渋皮煮が付く滋味あふれるご飯。前日から準備するため予約が必要。わずか8席のカフェで、お客さんからじかに聞く「おいしい」の言葉が明子さんの何よりの励みとなる。

■お出かけ情報
入やなわぁ工房
▼笠間市南友部1016
▼直売所兼カフェは10月~春ごろまで営業。土曜・日曜・祝日正午~午後4時(同3時半ラストオーダー)。直売は平日も予約で営業。
▼(電)090(8580)3273

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