常陸太田をアート一色に 芸術会議31日開幕 協力隊員ら多彩な催し

茨城新聞
2015年10月30日

若手芸術家と地域が一体となってアートに親しむ「ヒタチオオタ芸術会議」が31日、常陸太田市で開幕する。里美、水府、金砂郷の各地区で作品展示やワークショップ、パフォーマンスなどを披露。12月6日までの約1カ月間、市内は〝アート一色〟に染まる。
芸術会議は、市が2013年10月から展開している「常陸太田アーティスト・イン・レジデンス」事業の一環。創作活動を通じて地域活性化に取り組む市地域おこし協力隊アーティスト隊員が企画し、今年で2回目。
芸術会議は里美(31日~11月8日)、水府(11月9~同22日)、金砂郷(11月23日~12月6日)の3地区をリレー形式で展開する。同隊員のなるさん、渡部智穂さんを中心に、同隊員の初期メンバーとして活躍したミヤタユキさんもゲスト参加。加えて若手芸術家4人を招待し、多彩なアートイベントを繰り広げる。
問い合わせは市少子化・人口減少対策課(電)0294(72)3111。

■カルタと写真、表裏一体 里美地区皮切り
ヒタチオオタ芸術会議のトップを飾るのは里美地区担当のなるさん。31日の開幕を前に、「道の駅さとみ」(常陸太田市小菅町)で一足早く作品展示をスタートさせた。
正面入口側から見るとカラフルなカルタの世界が、店内側から見るとモノトーンの写真の世界が広がる。天井からつるした大きなパネルの表裏を巧みに生かしたアート作品が来訪者を出迎える。
カルタは地元に伝わる昔話「里美むかしむかし」と「健康」をコラボした作品。地元の保健推進員や食生活改善推進員らが夏から制作に励み、なるさんがイラストを手掛けた。
写真は大正から昭和時代のスナップ写真が中心で、なるさんが優しい言葉を添えた。当時の地元住民らが収めたあふれる〝笑顔〟が印象的な12枚をパネルで披露している。
タイトルは「おもてん。~想展、表展~」。なるさんは「表裏がなくどっちも主役という意味、地域の思いを詰め込んだという意味。その二つをタイトルに込めた」と話す。
展示は11月末まで。会期中は大中神社(同市大中町)での作品展示や子どもたちが作った大きな紙芝居の発表なども行われる。

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