道の駅隣にマリオット 宇都宮・茂木 「観光振興の起爆剤」

下野新聞
2018年11月29日

 米ホテル大手マリオット・インターナショナルのホテルが進出する宇都宮市と茂木町では「観光振興の起爆剤になる」と歓迎する声が出ている。食事なしの宿泊特化型の施設となることから、飲食面などは地元での消費が期待され、地域活性化につながりそうだ。

 宇都宮市によると、2017年の市内観光客は約1499万人、宿泊者は約159万人で年々増加している。しかし来訪目的や市のイメージは「ギョーザ」が圧倒的で、他の観光にも目を向けて楽しんでもらうことや、滞在時間を延長してもらうことが課題という。

 このため、宿泊特化型の施設が道の駅うつのみやろまんちっく村のポケットパークにできることとなり、同市の佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「観光振興の大きな起爆剤になる」と喜ぶ。

 ろまんちっく村の宿泊施設は10室で稼働率が高く、足りていないことから「滞在型の観光客が増えるだろう」と、同施設指定管理者のファーマーズ・フォレストの松本謙(まつもとゆずる)社長。「ろまんちっく村のアクティビティと全市的な観光資源を連携させたい」と意欲を見せる。

 道の駅もてぎの南側町有地に建設される茂木町は「町の観光戦略にかなう」と進出を歓迎する。同町内には国際的サーキットを中心にした「ツインリンクもてぎ」があり、ホテルも併設しているが、町内の宿泊施設が不足しているため、イベント開催時には、県境を挟んだ茨城県内や真岡市、宇都宮市などに客が流れていた事情もある。

 ホテルは宿泊に特化することから、食事はホテル直近の道の駅やコンビニ、1キロ余り離れた町中心部の飲食店の利用が見込まれる。

 同道の駅運営会社「もてぎプラザ」社長の古口達也(こぐちたつや)町長は「近年、全国には宿泊施設を運営する道の駅もあり客を集めている。益子町などを訪れる客の利用も見込める」と周遊型観光につながる可能性に期待を寄せている。