罵声浴びせ供え物奪う 笠間「悪態まつり」

茨城新聞
2016年12月19日

笠間市の愛宕山に伝わる十三天狗(てんぐ)にちなんだ「悪態まつり」が18日、同山頂周辺で開かれ、県内外から集まった約1100人の参拝者が、天狗役の神職らに罵声を浴びせて祠(ほこら)などの供え物を奪い合う奇祭を楽しんだ。

無病息災や家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する同まつりは、領主が領民の意見を聞こうと、不平不満を言っても罪にならない行事として始めたとされる。

同山には13の天狗が厳しい修行をしていたとの伝説が残り、白装束に烏帽子(えぼし)姿の天狗役の氏子や神職が、供え物をするため山麓から山頂まで16カ所の祠・神社を巡行。参拝客は天狗役に「早く歩け」「ばかやろう」などと悪態をつき、各所で陶皿や餅、5円玉などが供えられた瞬間、われ先にと手を伸ばした。都内から訪れた旅行会社代表、松沢茂信さん(34)は「想像より激しい奪い合いで面白く、十分ツアーとして成立する。自分も(供え物を)取れたのでよいことがありそう」とうれしそうに話した。 

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