伝統の技、様式披露 鹿島神宮、奉納演武や献茶式

茨城新聞
2016年6月13日

鹿嶋市宮中の鹿島神宮で12日、古武道、弓術、茶道の各流派が境内でそれぞれに受け継がれてきた伝統の技や様式を披露した。各流派からは、その高い精神性や美しい所作などに多くの参拝客が足を止めて見守った。同神宮の祭神、武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)は武道の神として知られる。

本殿前特設舞台では、剣術や柔術など県内外の古武道11流派がそろい、47回目の伝統行事の奉納演武に臨んだ。戦国時代の剣豪、塚原卜伝(ぼくでん)を流祖とする鹿島新當(しんとう)流、為我(いが)流派勝新(かつしん)流柔術など、修練を積んだ演武者が気迫に満ちた数々の技を披露した。

奥参道では小笠原流一門の弓術「百々手(ももて)式」の奉納があり、古式ゆかしいいでたちの射手が横一列に並び、的をめがけ次々に矢を放った。厳かな雰囲気の中、武家茶道の小堀遠州流による献茶式も行われた。

鹿島新當流の橋本大(ひろし)さん(45)は「古武道は絶対に廃らせてはいけない。技の伝承をしっかりしていきたい」と話した。筑波大大学院で学ぶ学位プログラムの一環で見学に訪れたマレーシア人の留学生、サイド・ファリスさん(36)は「さまざまな種類の古武道を見ることができ、とても貴重な経験。勉強になった」と感想を語った。

同神宮では毎年6月の第2日曜日を「武道の日」としている。

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