《つつじサミットin館林》全国の研究者ら活動報告や講演

上毛新聞
2016年4月25日

ㅤ館林市花山町のつつじが岡公園で23日に開かれた「つつじサミット2016in館林」。ツツジ真っ盛りの園内がにぎわう中、園中央部に設けられたサミット会場では、パネルディスカッションや基調講演が行われた。「情報を共有して『開花前線』公開を」「歴史的価値のある館林のツツジを後世に」など、参加者は観光振興や保護育成で議論を交わした。

◎全国の研究者ら活動報告や講演
ㅤパネルディスカッション「ツツジを活用した地方創生」では、新潟県立植物園副園長の倉重祐二さんをコーディネーターに、パネリスト4人がそれぞれの活動を報告した。
ㅤ石川県を拠点にするNPO法人のとキリシマツツジの郷、政田成利事務局長は、ツツジ愛好家の庭を公開するオープンガーデンの取り組みを紹介。その上で「全国規模で開花情報を共有し『ツツジ開花前線』として公開できないか。海外の人にも知ってもらえるはず」と提案した。
ㅤ館林市の樹木医でツツジ研究家の熊倉弘さんは「400年の歴史があるつつじが岡公園は、江戸時代の園芸ツツジそのもの。約50品種1万株あるが、後世に残さないといけない」と、歴史的な価値も含め保護を訴えた。
ㅤ「サクラと紅葉に加え、ツツジの開花期もPRしたら入園者数が1・8倍になった」と報告したのは国の特別名勝に指定されている都内の庭園「六義園」でツツジの管理育成を手掛ける山本三郎さん。ツツジの魅力を見直すことが集客増につながった経験を語った。
ㅤ霧島連山希少植物保全調査会(鹿児島県)理事の大窪三郎さんは「火山噴火や大雨などがあるとツツジや関係者のことを考えてしまう」と天災時の保護管理について連携が必要と指摘した。
ㅤ基調講演で、ツツジ古木の研究に取り組んでいる島根大教授の小林伸雄さんは「ツツジは日本が原産。園芸品種のほとんどが江戸時代のもの。つつじが岡公園ほど多くの種類が集まる場所はない」と魅力を紹介した。
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