平和への思い訴え 映画「サクラ花」 水戸で完成試写会
戦争末期、鹿嶋、神栖両市にあった神之池海軍航空基地で訓練が行われた特攻機「桜花(おうか)」を描いた映画「サクラ花」(松村克弥監督)について、完成披露試写会が6日、水戸市笠原町の県庁で開かれた。あいさつに立った松村監督は「戦争の最前線はいつも若者。日本を誤らせないためにも、戦争映画は必要だ」と話し、平和への切実な思いを訴えた。
物語は一式陸攻機に搭載され、激戦地の沖縄に向かった桜花の最後の出撃がテーマ。搭乗員8人の人間ドラマに焦点を当て、兵隊の葛藤や望郷の念などを描き出している。予期せぬ敵の爆撃で次々命が奪われていく過酷な描写も多く、悲惨な死の現実を映し出した。
当日は松村監督(52)、出演者の大和田健介さん(24)、城之内正明さん(40)、林家三平さん(44)が舞台あいさつ。大和田さんは「しばらく役が抜けないほど入り込んで演技した。若い人たちにも見てもらいたい」、城之内さんは「映画から戦争を『感じて』もらいたい」とそれぞれ話した。
撮影は阿見町をメーンに、ほぼ全シーンを県内で行った。林家さんは「毎日のように、炊き出しのごちそうが食べられた」と笑顔。松村監督は「茨城に映画のテーマはたくさんある。まだまだ作品を作っていきたい」と意気込みを見せた。
「サクラ花」は11月2、3日、水戸市の県民文化センターで、同4~6日に東京・渋谷ユーロライブでそれぞれ上映。その後、県内を中心に全国で公開される。
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