ガレの陶芸 変遷たどる 装飾的造形、色彩豊か 茨城県陶芸美術館 

茨城新聞
2026年7月16日

植物、昆虫の造形や日本美術を取り入れたガラス作品で知られるエミール・ガレ(1846~1904年)の陶芸作品を紹介する企画展「ガレの陶芸II 奇想と幻想の造形世界」が、茨城県笠間市笠間の県陶芸美術館で開かれている。多彩な題材を装飾的な造形で色彩豊かに表現した置物や皿、花器など約120点を展示し、ユニークな作風の変遷をたどる。

ガレはフランス北東部のナンシーを拠点に活動。19世紀末から20世紀初頭にかけて欧州で流行した自然をモチーフとして装飾性や曲線美を追い求める芸術運動「アール・ヌーヴォー」をけん引した。父・シャルルから継いだガラスや陶芸、木工家具の製造卸業「ガレ商会」を率いた実業家の顔も持つ。

今回は2020年に同館で開かれた企画展「ガレの陶芸」に続く第2弾。陶器は全て個人蔵で、今回新たに紹介する。初期、商会を継いでから試行錯誤を重ねた中期、製品から芸術表現へと昇華した後期の3章構成で、シャルルや製陶所が手がけた関連作品も並ぶ。

商会のロングセラーだった猫形置物のほか、オウムの水差しやちょうちょをかたどったふた物など、動植物を題材にした陶器が数多くそろう。1878~80年ごろに制作されたとみられる小物入れは、怪獣のような生き物の下顎部分を受け皿とし、伊万里焼風に彩色された。ガレの独特な作風が現れた作品だ。

このほか、会場には釉薬(ゆうやく)をかけて焼成した後に表面を削ってトンボの柄を表した「鉢 蜻蛉文(かげろうもん)」や無釉の素地に釉薬で海中の景色を絵付けした「花器 海洋文」などが飾られている。いずれも89年のパリ万国博覧会に出品されたものと同形同柄の作品だ。ガレは万博で新しい表現や技術を発表し、国際的に評価を高めた。

同館の名村実和子主任学芸員は「新しい表現を追い求めたガレの気概や情熱を感じられる内容になっている。ユニークな作品を楽しんでほしい」と話した。

会期は9月23日まで。休館日は毎週月曜、21日(20日、9月21日は開館)。