高崎玉村スマートIC 「道の駅」に“途中下車” 地域活性化へ全国初の実験
国土交通省関東地方整備局とネクスコ東日本関東支社は27日、関越道高崎玉村スマートインターチェンジ(IC)から、近くの道の駅「玉村宿」(玉村町)への立ち寄りを可能にする社会実験を始める。スマートICから“途中下車”して、高速道外にある休憩施設の利用を認める実験は全国で初めて。ドライバーの疲労回復に加え、地元の特産品などを販売する道の駅の利用者増により、地域活性化の効果も期待できる。
社会実験では、高崎玉村スマートICからいったん高速道を降りて、その後乗り直しても、目的地までの料金が割高にならない仕組みにする。車と情報をやりとりできる次世代型の自動料金収受システム「ETC2・0」の搭載車限定で、①玉村宿に必ず立ち寄る②同スマートIC退出後、1時間以内に同スマートICから高速道に乗る―などの条件がある。
全国では同スマートICのほか、愛知、山口両県の2カ所で夏までに順次、実験を行う。実験で得られたデータを基に、どのような経路で移動する人が道の駅を利用するのかなどを分析し、対象のIC・スマートICを追加選定する方針。
国交省が実験に取り組むのは、サービスエリア(SA)などの休憩施設が未整備の区間で、ドライバーの運転環境を向上させるのが狙いだ。
SAは約50キロ間隔を目安に設置されてきたが、整備されていない路線もある。国交省は全国の高速道で、休憩施設の間隔がおおむね25キロ以上ある約100区間について、将来的に半減させることを目指している。
料金が割高にならずに高速道外の道の駅を活用できれば、休憩ポイントが増えることになる。
玉村宿は2015年、関越道と東毛広域幹線道路が交差する地点に開業した。電気自動車(EV)の充電器や直売所、レストランがあり、地元の特産品やグルメを楽しめる。
実験の開始に合わせ、直売品や飲食物などを割安で販売するキャンペーンを実施する予定だ。乗り直しまでの時間が1時間と制限されているため、レストランでは予約を受け付けてスムーズに食事を提供できるよう工夫する。
直売所では地元農家の農産物なども数多く取り扱っていることから、筑井俊光駅長は「実験によって売り上げが伸びれば、地域の活性化にもつながる」と期待を寄せている。
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