テンペラ画 幻想的世界 茨城・水戸、高鳥さん作品展 らせんモチーフ25点

茨城新聞
2024年4月28日

らせんをモチーフに幻想的な世界を描く画家、高鳥達明さん(59)の作品展が、茨城県水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。ぬくもりを感じさせるテンペラ画やユーモラスなブロンズ像など25点が展示されている。

高鳥さんは日立市在住。20代半ば、ヨーロッパの伝統的な絵画技法「テンペラ画」に出合った。日本画と油絵の中間のようなつやのない絵肌に魅力を感じ独学で描き続け、29歳でイタリア・フィレンツェへ留学、本格的に技法を学んだ。「手間のかかる技法だが、多彩な表現や発色の良さが自分に合っていた」と話す。

会場には、丸みを帯びた不思議なキャラクターを描いた作品が並ぶ。らせん状の腕で架空の古典楽器を演奏したり、花を食(は)んだりする様子が鮮やかな色彩で描かれ、鑑賞者に異世界をのぞいているような感覚を抱かせる。

円形のテンペラ画「君に咲く夢」は、自身の娘をモデルにした作品。大空の下で大きな種を抱えた人物が目を引き、背景には渦を巻くピンク色の花が咲き乱れている。

高鳥さんは「なんでもありの空想の世界。見た人が自由に感じてもらえればうれしい」と来場を呼びかけている。

5月25日まで。午前10時から午後5時。日、月曜、同3日から5日は休館。