真壁城の排水溝確認 桜川市教委

茨城新聞
2016年12月1日

桜川市真壁町古城の国指定史跡・真壁城の本年度発掘調査で、同市教育委員会は1日までに、池跡を発掘したところ池の排水に使っていたとみられる溝を確認した。深さは当時の地面から最深約1・8メートルに及ぶという。排水のみならこの深さは必要ないことから、市教委は「火災に備えるための貯水機能も兼ねていたのでは」と説明している。

真壁城は、室町-安土桃山時代に築いた真壁氏累代の居城。1602年、徳川家康によって秋田に転封された佐竹氏に真壁氏が従ったことで廃城となった。1994年10月に国史跡に指定された。

本年度の調査では遺跡の庭園跡にあった「北池」を調べ、北池から北西に延びる大きな溝跡を確認。廃城の際に、埋められたとみられるという。

市教委によると、池と溝が接続する部分は高低差が1メートルほどあった。滝のようになっていたとともに、板などで仕切られていた可能性がある。溝はさらに西の堀につながると考えられ、来年度調査する計画。

また、青磁のおわんや大皿など中国産の高級磁器の破片が出土。市教委は「中小の武士としては高級な暮らしをしていたことが分かり、良い成果が上げられた」と話した。

市教委は3日午前10時半、午後1時半の2回、真壁体育館東側の発掘現場で現地説明会を開く。申し込み不要、無料。問い合わせは市教委生涯学習課(シトラス内)(電)0296(20)6300

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