旧中島家住宅 国重文に 文化審答申 昭和初期の意匠評価 太田
上毛新聞
2016年5月23日
ㅤ国の文化審議会(馬渕明子会長)は20日、太田市押切町の「旧中島家住宅」を重要文化財に指定するよう、馳浩文部科学相に答申した。富士重工業(東京)の前身、中島飛行機を創設した中島知久平(1884~1949年)の本邸で、昭和初期を代表する邸宅として規模、意匠が優れていることが評価された。
ㅤ近く答申通り告示され、本県の国宝・国重要文化財(建造物)は23件48棟となる。
ㅤ指定されるのは邸宅の主屋、土蔵、氏神社、正門および門衛所の4棟。宮内省出身の建築家が設計し、1930~31年に建てられた。利根川の自然堤防上にあり、敷地面積は約1ヘクタール。周囲を塀で囲み、門衛所を備えた正門を構える。北寄りに主屋や土蔵、氏神社が建ち、南側に芝生が広がる。知久平と両親が住んだほか、同社の接客に使われた。
ㅤ木造1、2階建ての主屋はさらに4棟からなる。応接室の天井にシャンデリアをつるし、客間の壁やふすまに波や雲、千鳥を描くなど、和洋折衷の意匠を凝らしている。
ㅤ番頭部屋などの付属施設もよく保存され、当時の資産家の生活様態を示す史料として貴重とされた。
ㅤ邸宅は、2009年に太田市の重要文化財に指定された。現在は同市が所有し、一部を公開している。
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