大洗あんこう祭 11月開催 宿泊もう満室 ガルパン人気で予約殺到

茨城新聞
2018年5月27日

1日で10万人以上が集まるようになった大洗町の「大洗あんこう祭」の日程が11月18日に決まり、半年前から会場近くの宿泊予約が取れなくなっている。町を舞台にした人気アニメがイベントに参画するようになって祭りの知名度が向上したためで、旅館や商店など町内の事業者は「町全体がにぎわう機会」と歓迎している。

祭りは、地元の冬の味覚アンコウに親しんでもらおうと、1998年に始まった。当初は「数千人規模」(町商工観光課)を想定していたが、アニメ「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)のイベントを加えた2012年から集客が桁違いに伸びた。アニメに出演する声優を目当てに年々、来場者が急増。昨年は過去最高の13万人(主催者発表)を記録した。

集客が増えた影響で、当日は早朝から水戸、大洗両駅で大混雑が発生した。当日の混雑を避けようと、前日に会場のある同町に入る動きが広まった。

会場から徒歩約10分の割烹旅館「肴屋本店」(磯浜町)は、昨年12月までに前日・当日とも宿泊予約で埋まった。同店代表の大里明さん(41)は「ここ数年はリピーターで埋まる状態」と歓迎。祭りは1日だけだが前日、当日に宿泊する客が増えている。大里さんは「祭りだけでなく町歩きや観光に訪れてくれる。波及効果は大きい」と喜ぶ。

大洗ホテル(同)も100室ほどある客室の予約が前日・当日とも完売。前日分は町が日程を公表した今月18日夜、一気に売れたといい、担当者は「注目が高い」とほほ笑む。大洗シーサイドホテル(同)は、まだ予約を受け付けていないが、担当者は「満室になる」と言い切る。

宿泊先は町内だけでは足りないとみられ、周辺の水戸市やひたちなか市でも満室が出るという。

一方、町内の商店。店主らは商機を逃さぬよう態勢を整える。老舗「ヨネカワ酒店」(大貫町)は当日だけで通常の1週間分の売り上げを見込む。米川宏晃代表は「会場に出店する業者向けのサーバー貸し出しや、町歩きの買い物客が多くなる。しっかり計画を練らないと」と準備を進める。

町は、今年もガルパンの声優によるイベントを検討。来場者数を前回並みの13万人と見込む。祭りは町に新たな観光客を呼び込む絶好の機会となるだけに、いかにスムーズに迎えるか。警備や交通整理について県警や事業者らと協議する。

地図を開く 近くのニュース