日本陶芸展が開幕 現代陶芸最高水準の150点 笠間
第23回日本陶芸展茨城展が3日、笠間市笠間の県陶芸美術館で開幕した。会派や団体にとらわれずに、いわば「実力日本一の作家を選ぶ」公募展。最高位の大賞に輝いた同市在住、井上英基さん(45)の「碧彩鉢(へきさいばち)」をはじめ、現代陶芸の最高水準の作品を一堂に見ることができる。
1971年に創設された同展は、隔年で開催。歴代の大賞受賞者からは、同市出身の松井康成氏や、三代徳田八十吉氏をはじめ重要無形文化財保持者(人間国宝)を輩出している。
茨城展は、4月の東京展を皮切りに大阪展、九州展を経た最後の展覧会。公募部門と招待部門に合わせて150点を展示している。公募部門の内訳は、伝統部門71点、自由造形部門38点、実用部門27点で、招待部門は人間国宝を含む作家が14点出品している。
井上さんの受賞作「碧彩鉢」は同展初出品。碧彩釉(ゆう)と呼ばれる独自の緑色の上薬を用いている。高さ34センチ、幅49センチ、奥行き45センチ。外側の下部分には白い上薬が施され、紺ぺきの海と白い砂浜の情景をイメージさせる。同展では、ほかにも現代陶芸の気鋭作家の秀作が存在感を放つ。
開幕を控えた2日、同館で、井上さんや同館の金子賢治館長らがテープカットを行い、展示会場を内覧した。井上さんは「大賞受賞作が地元に戻って鑑賞されることを光栄に思う。支えてくれた方々に感謝したい」と話した。
(写真は大賞に輝いた井上英基さんの「碧彩鉢」)
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