パン切れ端活用 ジン販売 循環型社会構築へ貢献 木内酒造 茨城

老舗酒蔵の木内酒造(茨城県那珂市南酒出、木内敏之社長)は、調理工程で出た切れ端などのパンを原料にしたクラフトジン「日の丸ジン Bé-Gin(ビジン)」の販売を始めた。取引のあった都内の有名シェフと共同開発し、飲み方なども提案。未利用資源の価値創出を図り、循環型社会構築への貢献を進める。
商品は東京でフレンチレストランを経営し、アジアの最優秀女性シェフに選ばれるなど国内外で高い評価を集める庄司夏子氏と共同で開発。9月から公式オンラインショップで販売を始めた。今後は同社本店やJR水戸駅ビルの商業施設「エクセルみなみ」などの直営店、酒類取扱店でも順次売り出す。アルコール度数は35%で、価格は700ミリリットル入り4400円(税込み)。
開発は同社と庄司氏の店舗で取引のあったことから実現した。原料となるパンは、庄司氏が監修する東京・銀座の「ブルーボックスカフェ」で調理時に切り落とされた切れ端を活用。クラフトウイスキーを生産している同社の八郷蒸溜所(同県石岡市)でベースアルコールとして蒸留、製品化した。
香り付けには県産の「福来(ふくれ)みかん」を使い、小麦と柑橘(かんきつ)系の爽やかな風味を調和させた味わいに仕上げた。こうした商品の特徴を生かし、庄司氏が考案したトニックウオーターとレモン果汁、オリーブ油、塩を加えたカクテルなどの飲み方も提案する。
売り上げの一部は那珂市社会福祉協議会を通し、同市内の子ども食堂へ寄付する。資源に新たな価値を与えるとともに、利益の一部を地域の子どもたちへ還元する循環モデル構築を掲げている。
共同開発の背景について、同社の担当者は「最先端の食を追求する中で出る余剰資源に責任を持ち、自らの発信で社会の意識を変えるきっかけをつくりたいという庄司シェフの思いに共感した」と説明している。
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