ヨシタケシンスケ展 絵本創作の源泉迫る 体験型展示も 茨城県近代美術館

身近な物事から想像力を膨らませ、ユーモアあふれる物語を展開する絵本作家、ヨシタケシンスケさん(53)の個展「ヨシタケシンスケ展かもしれない」が、茨城県水戸市千波町の県近代美術館で開かれている。日々のアイデアを書き留めたスケッチ約2500枚に加え、原画や立体物、愛蔵品のコレクションなど約400点を一堂に展示し、ヨシタケさんの創作の源泉に迫る。絵本の世界観を体験できるアトラクションも充実している。
ヨシタケさんは1973年、神奈川県生まれ。筑波大大学院芸術研究科総合造形コース修了。2013年にリンゴの中身や正体を巡り妄想を広げていく絵本「りんごかもしれない」(ブロンズ新社)で、絵本作家としてデビューした。これまで30冊以上の絵本を手がけ、大人から子どもまで幅広い世代で人気を集めている。

自身の創作について語る絵本作家でイラストレーターのヨシタケシンスケさん=水戸市千波町 ©Shinsuke Yoshitake
同展は初の大規模個展で、22年から国内20カ所を巡回。延べ100万人以上が来場している。今回は学生時代に親しんだ筑波山の「紫峰」にちなむ紫色をメインビジュアルに使用。茨城県内の牛久大仏や霞ケ浦を題材とした限定イラストのフォトスポットなども設置している。
壁一面にずらりと並ぶ2000枚以上のスケッチは絵本作家になる前から小さな気付きについて描きためてきたもので、1万枚を超える中から厳選された。ヨシタケさんの豊かな発想の一端に触れられる展示物だ。絵本の制作過程をたどるアイデアスケッチや温かみのある原画も並ぶ。
リンゴを投げてうるさい大人を黙らせたり、とげのある「じごく」の椅子に座ったり、絵本の世界観を体験できるアトラクションも随所に設置されている。
開幕前の内覧会に駆け付けたヨシタケさんは「好きで自分を楽しませるためにやってきたことは、他人も面白がったり楽しんでくれるということを(鑑賞者に)感じてもらえたらうれしい」と話した。
同展は9月13日まで。月曜休館(20日は開館、翌日休館)。
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