幻想的な絵画、銅版画130点 渡辺栄一さん作品展 茨城・笠間

茨城新聞
2026年3月26日

少年や昆虫、本など幻想的なモチーフを緻密に描写し、独自の世界観を展開する画家で版画家、渡辺栄一さんの作品展「渡辺栄一回顧展 少年王国譚(たん)」が、茨城県笠間市笠間の笠間日動美術館で開かれている。物語を想像させる絵画や西洋美術の影響を受けた銅版画など、約130点が並ぶ。同展は4月12日まで。

渡辺さんは1947年、山形県生まれ。版画家、棟方志功に興味を持ち木版画を始めた。66年に銅版画の制作を始め、70年に日動画廊主催の「第1回版画グランプリ展」でグランプリを受賞し画壇デビューを果たす。銅版画のほか、油彩を主に紙などをコラージュしたミクストメディア作品など、さまざまな技法で制作を続けている。

細部まで描き込まれ、じっくりと見応えある作風が特長。同展の目玉となる「少年王国」シリーズは、少年を主人公に不思議な世界を描いている。2枚一対の「少年王国〈アリス、君はどっちなの?〉」は一見左右対象に見えるが、耳が生えていたり、アリスがウサギになっていたりと無数の違いがある。

同館の鴻村大地学芸員は「作品全体で見たり、モチーフの一つに着目したりと、多彩な楽しみ方ができるのが魅力。お気に入りの1枚を見つけてほしい」と来場を呼びかけている。

同時開催として、北大路魯山人が手がけた食器類や書などを紹介する名品展、大島藤倉学園のアールブリュット作品展も開かれている。

午前9時半~午後5時。月曜休館。同館(電)0296(72)2160。