群馬県立近美コレクション展 三山や谷川 思いさまざま 群馬県ゆかりの画家らの9点
上毛新聞
2025年11月27日

「上州の山を描く」をテーマにした群馬県立近代美術館のコレクション展が、群馬・高崎市の同館で開かれている。群馬県ゆかりの画家らが上毛三山や谷川岳を描いた日本画など9点を展示する。12月16日まで。
前橋で生まれ育った画家、高橋常雄が晩年に故郷を描いた代表作「故山春雪」。地元の人にとって大切なランドマーク、赤城山がモチーフとされる。学芸員の太田佳鈴さんは「雪に覆われ、静けさに満ちた山の景色は、群馬の人にさまざまな思いを抱かせるのではないか」と話す。
隣には書家の木村三山が萩原朔太郎の詩「帰郷」を書いた二幅対の書が飾られている。木村は書詩一体の作品を目指し、朔太郎や同世代の詩人らの詩を題材に筆法や墨色、形状を工夫した作品を残した。「帰郷」は、朔太郎が妻と別れ、2人の子と東京から夜汽車で古里前橋へ帰る時の心情が、「まだ上州の山は見えずや」などと詠まれている。
他に、線にこだわった前橋生まれの画家、塩原友子さんの「榛名山曼荼羅図屛風(まんだらずびょうぶ)」、広島県生まれの奥田元宋が青空に映える奇岩怪石の山容をモチーフとした「妙義」、伊勢崎生まれの画家、礒部草丘の六曲一双屏風「谷川岳」などが並ぶ。
問い合わせは同館(☎027-346-5560)へ。
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