雑誌「ユリイカ」廃刊危機を救ったのは萩原朔太郎特集 元編集長、三浦雅士さんの企画展 1月まで群馬・前橋文学館
上毛新聞
2025年11月8日

雑誌「ユリイカ」や「現代思想」の元編集長で文芸評論家の三浦雅士さん(東京都)を取り上げた初の企画展「夢の明るい鏡 三浦雅士と1970年代の輝き」が、群馬県前橋市の前橋文学館で開かれている。学生運動の混乱が明けて知的活気に満ちた70年代に、時代をけん引する雑誌を生み出し続けた三浦さんの足跡を紹介する。来年1月25日まで。
三浦さんは1946年、青森県に生まれた。同館によると、高校卒業後、69年に青土社に入社。25歳にして廃刊の危機だった「ユリイカ」 の編集長となり、萩原朔太郎特集を刊行して雑誌を持ち直させた。3年後に「現代思想」の編集長に就き、35歳で同社を退社するまで腕を奮った。米コロンビア大特別研究員を務めた後、「ダンスマガジン」を創刊し、舞踊芸術などの評論を多数執筆する。
朔太郎の孫で映像作家の萩原朔美特別館長は「この人ほど作家を徹底的に育てる人はいない」と評する。展示では三浦さんが手がけた「ユリイカ」と「現代思想」の目次が一覧され、名だたる執筆者が参加していたことやそれを実現させた三浦さんの手腕がうかがえる。
午前9時~午後5時(入館は同4時半)。水曜と年末年始は休館。観覧料700円。問い合わせは同館(☎027-235-8011)へ。
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