さよなら水都西線バス 栃木県最南東の町と宇都宮市を結んでいた“貴重な路線”が廃止に

下野新聞
2025年10月5日

1937(昭和12)年に運行が始まり、真岡鉄道茂木駅(栃木県茂木町)と作新学院高前(宇都宮市)を結ぶJRバス関東の「水都西(すいとさい)線」が9月30日、88年間の歴史に幕を下ろした。

午後6時40分発の最後のバスが茂木駅を出発する際には、地域住民の有志やバスマニアら約20人が写真を撮るなどして思い出をつくった。

茂木駅前では午後6時ごろから人が集まり始め、バスが到着すると、乗車してきた10人ほどの愛好家も合流して即席の撮影会になった。

国鉄バス時代に車掌をしていた佐藤和子さん(73)も訪れ、最後の運転手を務めた安部賢二主任運転士(57)に花束を手渡した。

国鉄バス宇都宮支店の最後の車掌だった佐藤さんは84年まで茂木町内を走っていた山内甲線に乗車し、引退後は茂木駅でそば屋を営む。「時代の流れとはいえ、廃止は寂しいですね」と話した。

一方、母親と最後のバスに乗車してきた小学生は「最後のチャンスだったので乗車した。88年間、長い距離を走り、運転も大変だったはず」と話し、帰りのバスにも乗車していた。

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