河原子の歴史、写真集に 明治から平成の450枚 茨城・日立

茨城新聞
2025年4月23日

茨城県日立市河原子地区の住民が地域の50年の歴史を記した写真集を制作した。編集委員を選出し、住民から寄せられた明治から平成までの写真などから約450枚を選び、100ページ余の冊子に仕上げた。古い貴重な写真を掲載し、多くの人が親しめる内容にしたという。制作した3000部は各世帯に配るほか、図書館や博物館、学校にも提供する。

制作したのは「河原子学区コミュニティ推進会」(鈴木東男会長)。写真集は全ページカラーの「河原子ヒストリー」(A4判、109ページ)。

 

写真集「河原子ヒストリー」。地域の歴史が分かる写真が満載されている

推進会は今年で発足50周年を迎えるのを機に、「地域の歴史を記録に残そう」と2023年、50~60代の地域住民5人による編集委員会を立ち上げて作業を開始。2年間かけて延べ50回の会合を開いた。住民が所有する写真を募り、集まった800枚の中から選んだり、市郷土博物館の協力を得たりして資料を掲載した。写真の選定に当たっては、年代や当時の状況を聞くため90代の高齢者ら8人に助言を得た。

昭和初期に大勢の観光客でにぎわう河原子海水浴場や観光名所「烏帽子岩」の様子、カツオ漁などが盛んだった漁業、海岸沿いに旅館街が立ち並ぶ明治から昭和にかけてのたたずまい、戦中の動き、台風や地震といった災害に至るまで普段見ることのできない写真を満載した。

鈴木会長は「写真・資料は貴重なものばかり。若年層から高齢者まで読みやすく将来にわたり残るものになった」と説明。推進会事務局では「白黒写真のカラー化とデータ化、古い地図や資料の収集は重要な記録になった」と強調した。