アニメ「火の鳥 エデンの花」を群響の生演奏で上映 劇中曲をフルオケで 19日、群馬・高崎市
アニメーション映画「火の鳥 エデンの花」を群馬交響楽団の生演奏で上映する「シネマ・シンフォニー」が19日、群馬県高崎市の高崎芸術劇場で開かれる。劇中曲をフルオーケストラで奏でるという一夜限りの企画。同作を企画した映像制作会社社長の田中栄子さん(旧子持村出身)は「交響楽団のある群馬だから実現できる」と胸を張る。同日は上演に先立ち、原作者の漫画家、手塚治虫の長女の手塚るみ子さんと対談する。
田中さんは渋川女子高―青山学院大卒。アニメ映画の製作管理などに携わった後、1986年にSTUDIO4℃(東京)を立ち上げた。同映画は漫画「火の鳥」全12編のうち宇宙の未来を描く「望郷編」を基にした。田中さんにとって、幼少から読み込んでいた火の鳥の映画化は念願だった。
「地球を痛めつける人類への警鐘、欲、戦争、贖(しょく)罪(ざい)。手塚治虫さんのメッセージを余さず伝える」と細部にこだわり「復活編」「未来編」の要素も盛り込んだ。シナリオと映像を、映画「クライマーズ・ハイ」の楽曲も手がけた作曲家、村松崇継さんに託すと、スペースオペラのような劇中曲が出来上がった。
同作は全体の約6割で音楽を使用。例えば宇宙生命体を祖先に持つ少年コムが走る場面は、目まぐるしく転調が続く曲をコムの動きとぴたりと合わせるなど、至難の演奏となる。「約70人の奏者の意思、集中力が音色となり、観客の目の前で作品が完成する。会場全体で共鳴できる」と自信をのぞかせる。
群響の移動音楽教室で子どもの頃から交響楽に触れていたことが企画の後押しとなった。「他県と比べ群馬は恵まれた鑑賞環境。世界に誇るシネマ・シンフォニーとして群馬のレガシーを語り継ぐ一夜になればうれしい」と話す。
午後5時半開演で対談は30分程度。チケットはそれぞれ一般6800円、中学生以下4800円から。問い合わせは同劇場(☎027-321-3900)へ。
詳細はこちら