つくば・下河原崎高山古墳群 石棺から人骨や副葬品
県教育財団は5日、発掘調査を行ってきたつくば市下河原崎の「下河原崎高山古墳群」で、前方後円墳内が盗掘を受けていない状態で見つかり、中の石棺から人骨と銅鋺(どうわん)、鉄刀などの副葬品が多数発見されたと発表した。出土品から古墳の築造年代が古墳時代終末期の7世紀初頭ごろのものと推定した。同財団によると、盗掘を受けずに約1400年前の埋葬施設がそのまま残っていることは非常に珍しく、貴重な調査例だという。8日に一般向けの現地説明会を行う。
同遺跡は同市南西部、西谷田川左岸の標高20~25メートルの台地にあり、前方後円墳や方墳、円墳など十数基で構成されている。同財団は今回、古墳時代の前方後円墳(第5号墳)1基、方墳(第18号墳)1基の調査を行った。人骨などが発見された前方後円墳は墳長38メートル、墳丘の高さ1・5~2メートルで、築造当時の形をよくとどめているという。埋葬施設は箱式石棺で、計13枚の雲母片岩製の板石でひつぎを作っていた。
石棺内で発見された副葬品はとても良好な状態で、石棺の外から耳環や丸玉、同古墳の周溝からフラスコ型瓶なども発見された。人骨は確認されているだけで6体(成人5体、子供1体)あり、同財団では人骨について「この地域を治めていた地方の権力者のものではないか」と話している。
方墳は墳丘が削られ、平らになっていたが、周溝と、盗掘を受けた横穴式石室が確認された。石室から雲母片岩製の板石が2枚出土した。
同財団つくば下河原崎事務所は8日午前9時半と同11時からの2回、現地説明会を開く予定。小雨決行。問い合わせは同事務所駒沢さん(電)080(3405)9059。
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