《近県・東京ナビ》茨城・笠間のひなまつり 陶器で優美な十二単 手作り体験、ライブも 

上毛新聞
2016年2月18日

笠間焼で有名な茨城県笠間市の第16回笠間のひなまつり「桃宴」が3月3日まで、工房直結の店が並ぶ「陶の小径」(同市笠間)などで開かれている。今年は18施設が参加。陶工房やギャラリーなどに陶器のひな人形が並び、飲食店では期間限定の特別メニューが提供される。陶芸の里を歩き、一足早い春の訪れを感じた。
参加施設は、陶芸体験施設「笠間工芸の丘」(同)周辺の陶の小径と販売店が軒を連ねる「ギャラリーロード」に集中する。
陶の小径でまず「やまさき陶苑」に入った。朱色の毛氈(もうせん)上に並べられた無数のひなが出迎えてくれた。顔や体がふっくらして笑顔がかわいらしい。作家で桃宴実行委員長の山崎雅宏さん(63)は「今年の新作は優美さが際立つ十二単(ひとえ)のひな。伝統を踏まえ自由に創作するのが笠間焼。工房ごとに作風は全く違う」と解説する。
次に入った「東風舎」では、ほっそりとした顔や体のアーティスティックなひなや絵皿が目に飛び込んできた。作家の須藤陽子さん(61)は「笠間焼は作家性が高いのが特長。色を出すため笠間粘土に数種類の粘土を混ぜるなど工夫することもある」という。
自由な風土の中、音楽活動に熱中する作家も多く、東風舎では21日午後3時から女性作家による「お雛(ひな)様ライブ」が開かれ、ボサノバなどが楽しめる。
今年はJR笠間駅近くの交流拠点「まちづくりcafé上州屋」(下市毛)が初参加した。廃業した旅館を利活用した施設で、期間中は陶器のひなや七段飾りが展示され、地域おこし協力隊員が桃宴の情報を発信する。
三つの窯元で開かれている「陶雛人形制作ワークショップ」は、2千円(毎日開催、要事前連絡)でひなの手作り体験ができる。窯元の一つで、陶製の風鈴で有名な「製陶ふくだ」(同)を訪れた。乾燥や本焼きを経て体験後1カ月で完成品の郵送もしてくれる。あらかじめ用意された胴体に参加者は手で形作った顔、笏(しゃく)、冠などを付ける作業をしていた。指導する職人は「自由に作って」と口にしていた。オリジナリティーを尊ぶ笠間流がここでも垣間見えた。

【メモ】笠間工芸の丘までは北関東道友部インターチェンジから車で10分。市内には日本三大稲荷の笠間稲荷神社があり、門前通りの飲食店では桃宴の特別メニューも提供している。問い合わせは笠間観光協会(☎0296・72・9222)へ。

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