観光の玄関口へ期待 「道の駅かさま」開業祝う 茨城

茨城新聞
2021年9月17日

茨城県笠間市手越の国道355号沿いに整備が進められていた「道の駅かさま」が16日、オープンした。観光ゲートウエイ(玄関口)の役割と併せて、農産物直売による地元農業者の所得向上や、地域資源の発信拠点の期待が寄せられている。

県内15カ所目の道の駅。JA常陸直売所「みどりの風」の移転計画を機に、2017年度から事業化に向けて建設が進められてきた。整備費用は約29億5千万円。土地、建物は笠間市が所有し、指定管理者の「株式会社道の駅笠間」が運営を担う。

駐車場は369台(大型・障害者用車両を含む)を収容。高速バス・周遊バスの停留所、シェアサイクルステーションなどが設けられ、市内の他の観光スポットなどへの誘導を促す。

建物内には、地元の農産物・農産加工品の直売所をはじめ、フードコートやレストラン、栗専門のカフェなどが出店。観光案内所には、デジタルサイネージ(電子看板)と遠隔受け付けシステムを組み合わせたバーチャル(仮想)システムを県内で初めて導入した。

新鮮な野菜が並ぶ道の駅かさま=笠間市手越

 

開業式は新型コロナウイルス感染予防の観点から、出席者を60人程度に抑えて行われた。山口伸樹市長は「笠間は観光のまち。道の駅を起点に市街に足を運んでもらい、交流拡大を図っていきたい」とあいさつした。大井川和彦知事や常井洋治県議会議長らが新施設の船出を祝った。

カフェでモンブランを味わった水戸市のパートの女性(65)は「笠間の栗はおいしい。また来たい」と声を弾ませ、直売所で買い物した市内の50代の主婦は「農産物が新鮮で安い。建物内も明るく、通路が広いので歩きやすい」と笑顔を見せた。

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