ロケ支援作品7023件 02~19年度の茨城県内FC事業 19年度、台風影響も例年並み

茨城新聞
2020年8月20日

映画やテレビドラマなどの撮影を県や市町村が支援する県内のフィルムコミッション(FC)事業で、県は14日までに、2002年度から19年度までのロケ支援作品数が累計で7023件に上ったと発表した。昨年10月の台風19号(東日本台風)被害が響き19年度の支援作品数は前年度を下回ったものの、例年並みとなる500件超の水準を維持した。

19年度の作品数は前年度比15%減の515件、撮影延べ日数は同5%減の1253日だった。常陸大宮市や大子町など、県北地域の東日本台風被災地を中心に、秋の観光や行楽をテーマとした旅、食関連の番組ロケが減少したことが響いた。

一方、19年度の経済波及効果推計額は同13%増の5億1千万円と前年を上回った。複数の支援作品で、撮影スタッフらの宿泊を伴う長期ロケを誘致したことが主な要因。県観光物産課FC推進室によると、特に映画「ひとよ」や「映像研には手を出すな!」の撮影が、それぞれ神栖市や笠間市などを中心に約1カ月に及んだという。

作品の内訳は、映画57作品、テレビドラマ92作品、情報バラエティー166作品、ミュージックビデオなどのその他200作品。主な作品は、映画「仮面ライダー令和ザ・ファースト・ジェネレーション」、ドラマ「麒麟がくる」など。撮影場所は筑波海軍航空記念館(こころの医療センター敷地含む=笠間市)が最多の33件で、採石場(常陸大宮市)の22件、袋田の滝(大子町)16件と続いた。

20年度は、新型コロナウイルスの影響で8月現在、作品数が前年の約3割まで落ち込んでいる。同室によると、6月から徐々に再開し始めたロケの受け入れは「感染が再び拡大した7月半ば以降、基本的に受け入れを制限している」ためだという。今後も感染対策などを徹底しながら、「個別の相談に応じて受け入れていきたい」としている。