水戸市立博物館で雪保展 豪快さ秘めた女性画家

茨城新聞
2015年11月8日

水戸藩内で生まれ、江戸に移り住んで職業絵師として活動した女性画家・桜井雪保(せっぽ)(1754~1824年)の画業を紹介する企画展が22日まで、水戸市大町の市立博物館で開かれている。美術史に残る著名な画家とはいえないものの、神奈川県足柄郡の禅寺に納めた板戸絵からは「豪快さと繊細さを兼ね備え、画業の完成度の高さをうかがわせる」と同館。水戸に縁があり、活躍した女性としてスポットを当てている。

桜井雪保は、画家・桜井雪館(せっかん)の子として磯浜(現大洗町)で生まれた。父は、水墨画の雪舟の流派の画風を受け継ぎ、濃い墨を用い、素朴で力のある作品を残している。江戸へ出て画塾を営んだ。

父の薫陶を受けた雪保は、10代の初めには絵師として世に知られるようになり、大名や豪商、寺院などから依頼を受けて制作した作品を残している。

今展では、神奈川県大井町の了義寺本堂仏間を囲う「虎竹図」「龍図」などの杉の板戸絵を展示。大胆な構図と伸びやかな描線で、山水や竜虎などを描き上げた傑作だ。

そのほか、「半身達磨図」や「十六羅漢図」「龍虎蝦蟇仙人(がませんにん)図」などから、高い技術をうかがわせる。

同館の中村有紀子学芸員は「伸びやかで大胆、型にはまらない作風の雪保。女性とは感じさせない豪快さを秘める。ぜひ見てほしい」と呼び掛ける。

会期中の8日午後2時から、実践女子大の仲町啓子教授が「桜井雪保と江戸時代の女性画家」と題し、江戸時代の女性画家を概観する。

同展は一般200円(高校生以下、65歳以上など無料、県民の日は全員無料)。月曜休館。

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