《食いこ》運平堂本店(日立市) 名物饅頭しっとり白い生地

茨城新聞
2020年1月26日

 JR大みか駅前にある「運平堂本店」大みか本店は、名物の「大みか饅頭(まんじゅう)」で知られる老舗の和菓子店。お使い物や自宅用の和菓子を求める女性客に交じって、スーツ姿の男性客も目につく。大みか本店のほか、同市多賀と水戸市にも店舗を構える。
 同店は1868(明治元)年に大洗町で創業した。創業者は栃木県出身で「足利屋製菓」として始まり、1900年日立市に移転。05年に運平堂に改称した。

 5代目社長の岩田雲平さん(53)は「菓子作りは原料ありき。原料をちゃんと管理できなければ、ちゃんとしたものはできない」と素材を厳選する。小豆は北海道十勝産。粒の大きさや色味など品質をそろえた運平堂本店用に厳選された小豆を仕入れ、低温で保存。商品に合わせて、自社であんを作る。
 俵型の大みか饅頭は、生地に粘りが強く香りが高い大和芋を使った薯蕷(じょうよ)饅頭。専用に引かれた米粉と配合し、白くしっとりと蒸し上げる。特製こしあんは小豆を丹念にさらして作る。
 清潔感あふれる工場では、蒸し上がった饅頭の粗熱を取り、従業員が巻き紙を包む作業に精を出していた。多いときで1日1万4千個を製造する。日持ちは3日と短いが、8日ほど日持ちするパック詰めも用意する。
 岩田さんによれば、今のような大みか饅頭になったのは53年ごろ。以来日立市名物として愛され、引き出物やお祝い返しなどまとまった個数の注文が入る。企業の創業記念や個人のお祝いなどの掛け紙を作ることもでき、メッセージや干支(えと)などの焼き印入りにも対応する。

 果物を使った季節の羊羹(ようかん)は、果物と豆が合うように、果物のペーストやドライフルーツは自社で加工する。この日店に並んだ一つが「日本いちじくの羊羹」。北茨城市産の「蓬莱柿」という品種のイチジクを使い、2層に仕上げた。上は寒天で固め、下は白あんとイチジクの甘露煮を合わせた。味はもちろん見た目も美しい。
 厳選したひたちなか市産の干し芋、イチゴは水戸市、日立市中里地区のリンゴやキウイなどを使った羊羹も季節ごとに個数限定で登場する。

■お出かけ情報
運平堂本店大みか本店
▼日立市大みか町1の6の7
▼営業時間は午前8時半~午後6時(金曜は同6時半)
(電)0294(52)3257

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