地産ブドウ100%ワイン 2年ぶり思い結実 来月発売、牛久

茨城新聞
2019年11月7日

「ワインのまち」牛久市で生産される同市産ブドウ100%使用のオリジナルワイン「LEGAME(レガーメ)」が2年ぶりに発売される。昨年は不作でブドウが収穫できなかったが、今年は順調に醸造が進んでいる。ブドウ栽培を担う農業生産法人「うしくグリーンファーム」の山岡正男社長は「去年できなかった分、今年のものを楽しんでほしい」と思いを込める。

うしくグリーンファームでは、約15アールの畑で37本のブドウの木を栽培している。栽培している品種はヤマブドウの交配種「富士の夢」。ワインの特徴は、コクと甘さのあるしっかりとした味。色合いも紫がかった赤で非常に鮮やかだ。

同ワインは2014年から毎年発売していたが、昨年は、病気の影響により同農業法人で栽培するほぼ全てのブドウが正常に育たず、収穫することができなかった。このため、山岡社長らは「来年こそは必ず」という思いで1年間、栽培に力を入れてきた。その努力が実り、今年は約1200キロを収穫。12月上旬ごろまでに発売する予定だ。

収穫されたブドウは、ワイン造りを委託されている「檜山酒造」(常陸太田市町屋町)で醸造される。同社は1981年からワイン造りを始めた老舗。同ワインの生産が始まった当初から醸造を請け負っている。

しかし、今年のワイン醸造作業は例年に比べ遅れ気味になっている。原因は先月の台風19号。醸造する設備に直接的な影響はなかったが、会社周辺の道路や資材倉庫が浸水するなどの被害を受けた。同社の檜山雅史社長は「台風の被害があったが、年内には発売できるようにしたい」と話している。

醸造された同ワインは、同農業法人のほか、市内の酒屋5店舗で販売される。販売店の一つタマノ酒店の店長、端野和紀(たまのかずのり)さんは「お客さんから『まだできてないの』と聞かれることもある。リピーターも多く、発売すると早くなくなってしまう」と話す。

同ワインは渋みが少なく飲み口がいいことから、普段ワインを飲まない人でも飲みやすく、幅広い層から人気を集めている。また、ポリフェノールを多く含んでいることから、健康にいいとして購入する高齢者もいるという。

端野さんは「県外の人にもお土産品として紹介しやすい。お肉やビーフシチューなどと合うので飲んでみては」とPRしている。

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