水戸駅にお目見え 茨城大生がバス案内板

茨城新聞
2018年3月28日

公共交通の利用を促そうと、茨城大の学生が考案した路線バスの案内板が27日、JR水戸駅北口にお目見えした。同駅はバスの発着が多く路線も複雑なため、掲載する停留所を厳選し分かりやすさを追求、視認性やデザイン性を高めた。観光客やビジネス客を主なターゲットに、ニーズに応えた案内板に仕上げバスの利用者増を後押しする。

案内板制作は、地域の課題に取り組み、社会人としての基礎力を養う同大人文社会科学部の「プロジェクト実習」の一環。2年生10人が公共交通の利用促進について、約1年間かけて検討を重ねてきた。

案内板は水戸駅を起点に、「日赤病院」「市民球場前」「大工町」「イオンモール水戸内原」など、病院や公共施設、分岐点となる停留所を地図とともに掲載。従来の案内板は、路線図と数百カ所の停留所を掲載していたが、利用者やバス会社への聞き取りを踏まえ、計30カ所に絞り込んだ。

掲載した各停留所には、同駅の乗り場と料金を明記。さらに、運行する4社で利用できるICカードも説明している。制作した五位渕梓さん(20)は「何度も作り直し大変だったが、一目で分かるようなデザインになった」と、出来栄えに満足げな様子。大場貴史さん(20)は「利用客の多い停留所に絞り込んだことで、路線案内を分かりやすくした。利用者にとっても使いやすくなるのでは」と期待を込めた。

同駅では茨城交通(水戸市)や関東鉄道(土浦市)など、計4社がバスを運行。発着回数は1日当たり約1800回に上り「全国的に非常に多い」(市交通政策課)上に、路線も複雑化している。このため、市は2016~23年度の公共交通基本計画で、大学などとの連携による分かりやすい路線図、時刻表などの作成を進めていた。

茨城交通の任田正史社長は「思い切って停留所を絞り込んだことで、初めて水戸を訪れる観光客らにとっては分かりやすい案内板になっている。アイデアが生かされるような取り組みを進めていきたい」と高く評価した。 

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