どぶろく造り伝統守る 行方・春日神社で23日祭り

茨城新聞
2016年11月19日
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1200年以上の歴史がある毎年恒例の「どぶろく祭り」が23日、行方市青沼の春日神社で開かれる。氏子が醸造したどぶろくが神前に供えられ、参拝客に振る舞われる。どぶろく醸造が認められた神社は関東でただ一つで、国内でも数カ所。全国から多くの参拝客が集まる祭り当日に向け、現在は醸造作業の真っ最中。伝統を守り続ける氏子たちは連日、拝殿隣りの酒蔵に通い、作業を続けている。

■ 欠かさず通う
「集まれる人が少なくなってきているが、自分らの代でやめるわけにはいかない。伝統を守っていく責任感がある」。羽生進一さん(66)は力強く語る。羽生さんは、青沼区内四つの組の一つで、今年の当番の久保組世話人を務める。

10月下旬の米そろえの後、今月3日に地元産コシヒカリの新米とこうじ、水によって元仕込み。これ以降は毎日朝夕2回、ほかの氏子とともに欠かさずに酒蔵に通う。タンクの中で発酵が進む酒の温度管理と攪拌(かくはん)作業を地道に続ける。

16日朝も羽生さんらはどぶろくの状態を確認するため酒蔵に集まった。内部は芳醇(ほうじゅん)な香りが広がり、タンクのふたを開けると、発酵する音が聞こえてくる。

酒の温度をチェックし、羽生さんは「15度か。少し高いね」とつぶやく。低温熟成の酵母菌が使われており、酒の温度は13~14度が適温だ。その場から電話で県工業技術センター職員に指導を仰ぎ、温度を下げるため、タンクに氷を入れた。

「一番恐いのは雑菌」。アルコール消毒した棒で丁寧に撹拌する。繊細な作業を繰り返し、約300リットルのどぶろくを完成させる予定だ。

■ 地域つなぐ場
祭りに向けて情熱を注ぐが、羽生さんのように頻繁に通える氏子は少なくなってきている。羽生さんは自営業の合間を見て、酒蔵を訪れる。「昔はほとんどが農家だったが、今はみんな会社勤め。定年の年齢も上がっているし、朝夕来られる人は少ない。若い人も少なくなってきている」

氏子総代長の羽生次男さん(69)は「以前は若者が踊りなど余興をしてにぎわったが、数年前に青年団も解散してさみしくなってきた。地域住民が集まる機会、地域をつなぐ場として祭りの伝統を守っていきたい」と話した。

同神社は807年、奈良の春日神社から分祀(ぶんし)したと伝えられている。祭りは、その際に祝いに八石八斗の酒を醸造して振る舞ったのが始まりとされる。

23日は午前8時ごろから夜まで、参拝者にどぶろくが振る舞われる。2人は「今年は非常に良い出来。ぜひ飲みに来てほしい」と口をそろえる。車を運転して来る人向けに、容器入りでの配布も行う予定だ。

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