《天高く ペガサス日本一(上)》継投策 完全分業で役割徹底

上毛新聞
2016年10月19日
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ㅤ野球の独立リーグ参入9年目にして、群馬ダイヤモンドペガサスが初めて日本一の栄冠を手にした。昨季、ルートインBCリーグ東地区3位に沈んだチームは2年ぶりにリーグ王者に返り咲き、これまで2度にわたり日本一を阻まれてきた四国アイランドリーグplusの強敵も退けた。大きく飛躍した今季を振り返る。

ㅤ勝負が決するグランドチャンピオンシップシリーズ最終第5戦が行われた10日の前橋市民球場。守護神の堤雅貴が最後の打者を自慢の直球で中飛に打ち取ると、一塁側スタンドからひときわ大きな歓声が上がった。「日本一」の瞬間を待ち構えていた選手たちはマウンドへ駆け寄り、喜びを爆発させた。
ㅤ「最後のマウンドに立っていられるのは自分しかいない」。セットアップの山崎悠生から覚悟を決めた堤へ。今季を象徴する「八回山崎、九回堤」の「必勝リレー」で、プレーオフ3シリーズの最終戦を全て、このパターンで締めた。
ㅤチーム防御率は東地区最下位だった昨季の4・53から一転、今季は3・17とリーグトップの好成績を残した。その最大要因となったのが投手陣の「完全分業制」だ。開幕前から先発、中継ぎ、抑えの役割分担を徹底したことが奏功した。
ㅤ継投策について問われた平野謙監督の答えは至ってシンプルだった。「野球は準備が大切なスポーツ」。昨季は登板のローテーションも各投手の役割もはっきりとは固定していなかった。その結果、それぞれが経験を積んだ一方で、体、メンタルともに準備不足のままの登板は大量失点となって表れた。
ㅤ今季は役割を明確にし、各自がローテーションに合わせて調整。個々に選手の長短所について話し合い、メンタル面にも気を配った。試合前にはあらかじめ登板パターンを伝え、全員が万全の状態でマウンドに上がれるように心掛けた。
ㅤ中でも数字を残したのが山崎と堤の盤石の「後ろ2枚」。山崎はチーム最多42試合に登板して防御率0・98。奪三振率は12・13をマークし、与四死球率も昨季の8・49から3・91と、制球も安定した。今季から抑えに回った堤は、下半身強化で球速150キロまでアップ。1回当たりの被安打は昨季から半減し、リーグ記録を更新する21セーブを挙げた。
ㅤ継投の安定で先発の負担も軽減され、二桁得点を許したゲームは昨季から3分の1に減った。さらに「点を取れば投手が守ってくれる」と打撃陣が口をそろえるように打線の奮起も呼び、前半の得点を守り切る形が確立した後期は勝率6割超えと圧倒的な強さを誇った。

 

【写真】日本一を決めマウンドに駆け寄るナインと抑えの堤(左から2人目)