弥生時代 地域の営み考察 福島・いわき出土品も 北茨城で企画展

茨城新聞
2026年6月28日

茨城県北茨城市や福島県いわき市から出土・採集された遺物を紹介する企画展「YAYOI Period 北茨城といわきの弥生時代を中心に」が北茨城市磯原町磯原の市歴史民俗資料館で開かれている。両地域の石器や土器など、約100点を展示。出土状況や痕跡から、各地の生活文化の共通点や相違点を考察できる。同展は9月6日まで。

かんがい施設を伴う水田稲作が始まった時代として知られる弥生時代に、茨城県北部や福島県浜通りでどのような生活が営まれてきたのか、教科書では学べない地元の歴史を知ってもらおうと企画された。

「水田耕作」「大陸系磨製石器」「墓」という3分野に焦点を当て、それぞれを地域別に比較できるようにした。

館内にはいわき市の遺跡から発掘された、稲穂を収穫するための石包丁や木製農具を作る際、伐採に使用したとされる大陸系磨製石器など数十点を展示した。合わせて福島県で初めて発見・発掘された弥生時代の水田跡として知られる番匠地(ばんしょうち)遺跡(同市内郷)を上空から撮影した写真も掲示。水路の跡などが確認でき、かんがい施設として利用されていたことがうかがえる。

一方で、茨城県からは日立市内の霊園から採集された石包丁1点を展示。解説には、福島県浜通りから仙台平野にかけて石包丁の出土が集中していることに対し、茨城県ではわずか4点しか確認されていないことを示した。

また、北茨城市中郷町の足洗遺跡で発掘された埋葬に使用したとみられる甕(かめ)と、共に出土した小型の壺(つぼ)を初めて公開。東北地方で類例が見られる土器を組み合わせてひつぎにする「土器棺墓」の可能性があるという。

このほか、いわき市内の土坑墓に埋葬されていた大陸系磨製石斧(せきふ)や、日立市十王町伊師と伊師本郷に広がる十王台遺跡群から発見された石の矢尻も見学できる。

加えて北茨城市立中郷中の生徒が職場体験の一環で製作した、市内の弥生時代の遺跡分布図や当時のイメージ図を壁に貼り、市内各地から出土した弥生土器も並べた。

学芸員の早川麗司さんは「地域の歴史を自分の目で確認してみて」と来場を呼びかけている。

期間中は北茨城市出身の日展入選作家・山形彩月(さつき)さんの繊細ながらも迫力ある日本画も披露され、展示室の廊下を彩る。

午前9時~午後4時半(入館は同4時まで)。原則、月曜休館。入館料は一般320円、学生100円(小中学生は無料)、65歳以上200円。