《食いこ》Tea room Wisteria(茨城・大洗町)

■海辺の街、紅茶文化育む
茨城県大洗町磯浜町のティールーム・ウィステリア(Tea room Wisteria)は日本紅茶協会認定、県内では4店のみの「おいしい紅茶の店」だ。店内に並ぶピアノとギター、本棚が落ち着いた雰囲気を醸し、英国の薫りをほのかに漂わせる。
紅茶で思い浮かぶのはポール・マッカートニーが「一緒に座ってお茶しませんか」と歌う「イングリッシュ・ティー」。ポールが米国で「お茶(ティー)」を注文した際、種類を聞かれ、お茶はお茶でしょ、と思いつつ「イングリッシュ・ティー」と言い直すと、いつもの紅茶が出てきたという。英国人にとって「お茶すなわち紅茶」なのである。

手際よく紅茶を入れる
店主の加藤駿さん(28)は愛知県名古屋市の出身。高校時代、紅茶好きが高じて専門店に出かけた。勇んで注文した茶葉は「今の時期はありません」とあえなく撃沈。しかし出直して飲んだ紅茶はおいしかった。
大学院に通いつつ、教員免許を取り、国語の教員もしていた頃、たまたまアニメ「ガールズ&パンツァー」を見て、舞台の大洗町を訪れた。「元々海辺の生活に憧れていた。ゆったりとした時間の流れ、豊富な海産物の魅力に引かれました」と加藤さん。移住を決意。2023年に同店を開店して3年目だ。
ダージリン、アッサム、キームン、アールグレイ、そして茨城県産茶葉の和紅茶も提供している。一度に12種類を入れ分けた時もあるが、「スプーン一杯味見をすれば分かります」と舌には自信がある。

手作りの紅茶ゼリーとドライフルーツ入りパウンドケーキ
おいしい紅茶の入れ方を聞くと「好きな茶葉を選び、沸騰した湯を注ぎ、抽出は3分以上5分ぐらい。細かいことは気にせず、水は水道水で十分」と笑った。「でも茶葉を絶対日に当てないこと。あっという間に劣化して、まずくなる」と真顔で付け加えた。
ミネラル分が少ない軟水の日本で紅茶は「色は薄いが香りが出る」。「大洗の水は幾分ミネラルが多く、味わいは多少重め」と印象を話した。
紅茶の「好みは人それぞれ。何でも聞いてほしい」と加藤さん。「紅茶を通じてお客さん同士、交流の場になれば。他の店と連携しながら地域を盛り上げて行きたい」と語る先には「オリジナルブレンドをつくり、大洗に紅茶文化を根付かせたい」夢がある。
■お出かけ情報
▽茨城県大洗町磯浜町65
▽営業時間は午前11時半~午後6時半
▽木曜、第1、3水曜定休
▽(電)029(219)4524

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