雪華模様の普及過程紹介 古河藩主土井利位展 重文、泉石の蒔絵印籠も 茨城

茨城新聞
2026年4月1日

日本で初めて雪の結晶を観察し「雪華図説」を著した江戸時代後期の古河藩主、土井利位(としつら)(1789~1848年)の企画展が茨城県古河市中央町の古河歴史博物館で開かれている。利位が記録した雪の結晶模様は科学的にも評価が高い。新しいデザインとしても注目を集め、当時流行をもたらした。同館としては8年ぶりに重要文化財の印籠を展示し、絵柄として普及した過程も紹介する。同展は5月6日まで。

利位は老中首座として幕政に携わりながら、20年以上かけて雪の結晶を観察し続けた。その成果は1832年に「雪華図説」、40年に「続雪華図説」にまとめられ、計183種類の結晶模様を記録している。

これらの模様は「雪華」と名付けられ、当時の絵画や工芸品、着物に取り入れられていった。利位の官位「大炊頭(おおいのかみ)」にちなんで「大炊模様」とも呼ばれた。利位自身もこの模様を好み、ほかの大名への贈答品や書状などに用いている。

企画展では、当時の名工が手がけ、雪華模様が入った刀のつばや着物、大判の錦絵を展示する。

目玉の一つが、同博物館所蔵の「雪華文蒔絵(まきえ)印籠」だ。利位に側近として仕えた鷹見泉石(1785~1858年)が、当時を代表する蒔絵師の原羊遊斎に作らせた。学芸員の永用俊彦さんは「泉石自身の印籠として作られたことから、泉石も雪の観察に関わっていたことを示している」と話している。

このほか、雪華模様を校章デザインに取り入れた小中学校の体操服ゼッケンや名札なども展示している。

開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。一般400円、小中高生100円。問い合わせは同博物館(電)0280(22)5211。