甲着た古墳人発見を追体験 群馬県埋蔵文化財調査事業団発掘情報館 (群馬・渋川市北橘町下箱田)

古墳時代に東国文化の中心地であったとされる群馬県は、古墳や貴重な埴輪の出土が多いことが知られている。そうした本県の歴史を埋蔵文化財の視点で学べる古代史の“テーマパーク”が県埋蔵文化財調査事業団発掘情報館だ。数々の出土品から古代の群馬の様子が浮かんでくる。
同館は、事業団の発掘調査で出土した土器や石器などを身近に見て、地域の歴史に関心を深めてもらおうと、1996年に開館した。資料展示室や遺跡情報室、収蔵展示室、体験学習室といったスペースがある。
展示物で目を引くのは、「甲(よろい)を着た古墳人」が発見され一躍話題になった金井遺跡群(渋川市)の出土品だ。同遺跡群は金井東裏遺跡と金井下新田遺跡からなる。6世紀初めの榛名山の噴火に伴う火山灰と火砕流堆積物ですっぽり覆われたことから、繊維の一部や、人や馬の骨など通常は残らないとされる有機物が確認され、数々の発見につながった。
甲を着た古墳人は復元模型がアクリルケースの中に展示されている。出土した状況を再現しつつ、甲をはがして内側も分かるようになっている。甲は鉄製の小札(こざね)1800枚を絹糸の組みひもで連ねたものだったといい、技術力の高さに驚く。
遺跡からは無数の足跡も見つかった。噴火から逃れようとしたのか、東方向へと向かってできていたという。複製された足跡からは被災の状況が生々しく迫る。
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