硯の逸品、16点紹介 故山口氏収集品展示 茨城・東海

茨城新聞
2025年11月5日

茨城県東海村村松の村歴史と未来の交流館で、ミニ企画展「硯(すずり)展 大陸の硯に魅せられて~山口歓一氏 硯コレクションより~」が開かれている。村が所蔵する中国や朝鮮半島の名石で作られた鑑賞用硯の逸品16点を紹介する。同展は29日まで。

出品されるのは、同村書道連盟理事長を務めた村内の書家で硯の収集家でもあった故・山口歓一氏のコレクション。本人死去後の2014年、村は硯約230点を遺族から寄贈されており、今回展示されるのはその一部。石色、紋様、彫刻に着目し選抜したという。

図案化したヒキガエルがデザインされた「端石・猪肝色・月精硯」(中国・宋時代)や、精緻なカニの彫り物が見事な「緑端・黄行会士硯」(同・清時代)、中央部分の重なる円で太陽と月を表現し、周りにブドウの房や葉、猿などが装飾性豊かに彫られた「渭(い)源石・日月豊饒(ほうじょう)硯」(朝鮮・李朝前期)などがある。

企画を担当した同館主事の佐々木友さんは「古来、硯は文人の心のよりどころとなってきた。故山口氏が集めた名品を通し、奥深い大陸の硯の魅力を感じてもらえたら」と話している。

午前9時~午後7時(土日・祝日同5時まで)。月曜休館(祝日の場合翌日)。同館(電)029(287)0851。