《戦後80年》日立の戦災知って 市内で平和展 写真や資料で紹介 茨城

戦後80年を記念した「平和展」が茨城県日立市内で開かれている。1945年6~7月の日立空襲や艦砲射撃といった戦災と戦時中の生活を写真や資料で紹介。市は「戦争の悲惨さの風化を防ぎたい」とし、記憶を残すことと平和の大切さを訴える。市内各地を巡回しており、28日までは同市助川町の市役所正面玄関前で開かれている。入場無料。
日立市は太平洋戦争中、軍需工場が集中していたことで米軍の攻撃の対象となった。45年6月に空襲による1トン爆弾攻撃、7月に艦砲射撃、焼夷(しょうい)弾攻撃を受け、計1500人以上が犠牲になった。
会場では、「戦争のはじまり」として戦時体制に入った際の市民の生活の様子を振り返る。入隊を家族全員で祝う様子や、防空監視を行う兵隊などが写真で紹介されている。
3回の攻撃の写真パネルでは、空襲で破壊された工場や、焼夷弾攻撃で焼け野原となった市街地が戦災被害の大きさを表す。
このほか、市内に残る防空壕(ごう)や高射砲台といった戦争遺跡の資料や、県内の戦災についても触れる。
今月17日まで日立シビックセンターで開かれた会場に来場した市内の女性(67)は伯父が満州で戦死したといい、「戦災は親から聞いていたが、生まれ育った街の歴史を改めて知ることができた。若い世代に残すことは大事」と感想を語った。市は「戦争と平和への関心を深める一助となれば」と来場を呼びかけている。
平和展は市内巡回も行う。日程と場所は次の通り。
10月4~13日、市南部図書館ギャラリー▽同25日~11月3日、市多賀市民プラザギャラリー▽12月3~12日、県北生涯学習センター正面ホール-。