「知られていない本ある」群馬・前橋市中心商店街で2500冊 独立系書店「本屋 水紋」オープン 取次会社からUターンの32歳
上毛新聞
2025年7月11日

群馬県前橋市千代田町の前橋中央通り商店街に6日、「本屋 水紋」がオープンした。同市出身の小沢亮太さん(32)がUターンし、選書にこだわった独立系書店として開業。小説や新書、短歌集、漫画など約2500冊が並ぶ店内には喫茶スペースも設けた。小沢さんは「自信を持ってお薦めできる本を仕入れている。ぜひ手に取ってほしい」と話し、街中から文化を発信していきたい考えだ。
小沢さんは大好きな本の世界に携わりたいと考え、大学卒業後に都内の大手出版取次会社に就職した。書店営業などに励む一方、30歳になってからは将来を考えることが増えた。体調を崩したことも影響し、昨年地元に戻ることを決めた。
約50平方メートルの店内には、ノンフィクションやまちづくり、スポーツ、お笑いなど幅広い分野の本が並ぶ。例えば、谷崎潤一郎の「細雪」の隣に、舞台となった船場について書かれた本を置くなど配置にこだわり、思いがけない本との出合いを演出する。
小沢さんによると、国内では1日200冊ほどの本が出版されているという。「世間には知られていない本がたくさんある。その中から面白い物を掘り起こして届けたい」と力を込める。