郷土資料ネット公開 桜川市、文化財や伝統芸能 茨城

茨城県桜川市は郷土資料をインターネット上で閲覧できるデジタルアーカイブを公開している。同市や個人が保有する文化財や伝統芸能の映像資料など127件を集約した。市生涯学習課の担当者は「子どもから大人まで幅広い世代に活用してもらいたい」と期待を寄せる。市は今後も資料を追加していく予定だ。
公開されているのは「桜川市デジタルアーカイブ」。郷土学習の充実とともに、地域の財産を次世代へと引き継ぐために作成された。パソコンやスマートフォンなどの端末があれば簡単に見ることができる。資料の種類や時代、関連する地域ごとに検索も可能だ。
文化財は県指定有形文化財の一つ「真壁長岡古宇田文書」に収められている「芹沢伝長書状」など73件を公開。高精細に再現されており、拡大しても文字や細部をくっきり見ることができる。画面上で原本の文字と活字化した「翻刻」の文字を重ね合わせて見られる機能もある。笠間藩から領内の名主たちに貸し与えられたと考えられている鎧(よろい)「黒漆塗二枚仏胴」は3次元ビューアーで立体視できるのがポイント。鎧の表面だけでなく、背面なども見られる。ダウンロードして二次利用可能な資料もある。
このほか、「空から見る桜川」はドローンで撮影した桜川の風景を360度楽しむことができる。
システムは図書館流通センター(東京)の関連会社が提供する、クラウド型のデジタルアーカイブシステム「ADEAC」を採用している。
同市生涯学習センター「さくらす」の図書館に設置されたデジタルサイネージ(電子看板)でも閲覧できる。同図書館の小沢司郎館長は「図書館では大きい画面でも見ることができる。ぜひ利用してもらいたい」と話している。