高萩炭礦資料館 リニューアルオープン 石炭業繁栄期の写真展示 茨城

茨城県高萩市高萩の「菊池寛実(かんじつ)記念高萩炭礦(たんこう)資料館」がニューアルオープンした。約1年半の休業を経て内外装を一新した。従来の展示に加えて、昨年11月に同市が市制施行70周年を迎えたことを受け、石炭産業が栄えていた時代を中心に1950~70年ごろの炭鉱と市民の様子を記録した写真などを新たに展示している。
同館は2012年、石炭産業の歴史と当時の姿を後世に残すため開館。当時の炭鉱住宅跡地に立っており、今でも地下には石炭が眠る。同炭鉱産の石炭や使用器具、炭鉱の町を600分の1の縮尺で再現したジオラマを展示。屋外には石炭の運搬に使用したトロッコや、石炭になり損ねたともいわれる陸生植物が化石化した珪化木(けいかぼく)が並ぶ。県内外の学生や当時の炭鉱業従事者らに親しまれていたが、昨年1月の豪雨により被災、休館を余儀なくされた。
今回のリニューアルに伴い、蒸気機関車(SL)のパネルや模型、当時の地元教師らが撮影し、寄贈された写真を並べた。高萩駅前で行われた七夕祭りや炭鉱内での相撲の写真からは、栄えていた時代の様子がうかがえる。
同館の菊地啓正(ひろまさ)事務所長は「当時の高萩のにぎやかな様子を感じてほしい。日本経済の礎となっていた炭鉱について今の人々にもぜひ知ってもらいたい」と話す。
開館日は土・日・祝日。開館時間は5~10月は午前10時~午後4時。11~12月は午後3時まで。年末から来年3月中旬までは館内入れ替えのため休館。入場無料。問い合わせは同館(電)0293(22)2150。