みうらじゅんさん作品展 茨城・筑西、しもだて美術館 マイブーム遍歴1万点 27日開幕

茨城新聞
2024年4月27日

「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親で、イラストレーターのみうらじゅんさん(66)の世界観に迫る企画展「みうらじゅんFES マイブームの全貌展」が27日、茨城県筑西市丙のしもだて美術館で開幕した。コロナ禍の中で描き始めた「コロナ画(が)」をはじめ、仏像やてんぐなど「マイブーム」を振り返る作品1万点超がそろう。開幕前日の26日、みうらさんが報道向けの内覧会のために来場し、展示品を解説した。

京都府出身のみうらさんは、武蔵野美術大在学中の1980年に漫画家デビュー。エッセイストやミュージシャンとしても活躍している。「ここに並んでいるのは、僕の宝だからボク宝(ほー)。マイ価値観で見てもらいたい」と語った。

同展では、みうらさんが小学生時代から収集・制作してきた作品がずらりと並ぶ。寺院のパンフレットや仏像写真を貼ったスクラップ帳、交通安全を呼びかける看板「飛び出し坊や」、冷蔵庫に張るための宣伝用マグネット「冷マ」などさまざま。「神さまに失礼だろう」と思わせる絵馬「ムカエマ」の写真もある。

ひときわ目を引くのが、「死ぬ前に見るだろう走馬灯的作品」のコロナ画だ。130枚を超える連作絵画で、厳かな仏像に海女(あま)や牛、鍾乳洞などが混沌(こんとん)と登場する。「40年前に買ったベット布団など、僕にしか分からないことばかり描いてある」と、みうらさん。

この日は市内4高校の生徒が展示作業に協力。人形の展示を手伝った明野高3年の安藤結菜さん(17)は「楽しく黙々と作業できた。いろいろなものを集めている」と感心していた。みうらさんは「100年後の(民俗学者の)柳田国男が見つけた場合、確実に民俗学になると思うものだらけ」とアピールした。

会期は6月30日まで。問い合わせは同館(電)0296(23)1601。

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